こんにちは。日本橋総合法律事務所の弁護士日野修一です。
先日、東京家庭裁判所の裁判官より、興味深いお話を聞くことができました。離婚訴訟の慰謝料の金額に関する話です。
東京家庭裁判所で審理されている離婚訴訟について、平成24年から平成25年まで統計をとったところ、慰謝料の認容額の平均は約223万円だとのことでした。認容額とは、裁判所が判決で認めた金額という意味です。ちなみに、原告(訴訟を起こした方の当事者です)の請求額の平均は614万円とのことでした。つまり、原告が裁判を起こして約600万円の請求をしても、裁判所が判決で認める金額は約3分の1の200万円強であるというのが平均的な数字ということになります。
もちろん、離婚事件はそれぞれのケースによって事情が多く異なり、ケースバイケースの度合いが強いですから、平均だけにこだわる意味はないのかも知れません。しかし、裁判所の判断の相場(という言葉はなんだか軽すぎる気もしますが)を知っておくことは、原告側にとっても、被告側に立った場合でも戦略上とても大事なことだと思います。
統計上は、離婚の9割は協議離婚が成立しており、残りの1割について裁判所に調停が起こされ、調停になった事件の9割は調停が成立しているそうです。つまり、離婚の訴訟となるケースは全体の離婚のうち、僅か1%といえます。それだけ解決が難しいこじれた事案でも慰謝料の平均額は約223万円だそうです。これを高いと見るか低いと見るか・・・みなさんはどう思われるでしょうか。
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弁護士日野修一
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